中野 雄司Takeshi NAKANO 

専任研究員 理学博士

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現職(2018年度)

  • 理化学研究所環境資源科学研究センター専任研究員
  • モンゴル国立大学 応用理工学部 客員教授
  • 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 非常勤講師
  • 首都大学東京大学院 理工学研究科 非常勤講師

趣味

  • 山登り、海潜り、自転車

経歴

  • 1989年  京都大学農学部 卒業
  • 1994年  京都大学大学院 農学研究科 農芸化学専攻 博士課程修了
  • 1994年  日本学術振興会 特別研究員(PD)(京都大学大学院農学研究科)
  • 1995年  理化学研究所・基礎科学特別研究員
  • 1996年  理化学研究所・研究員
  • 2000 – 2002年 アメリカ合衆国 サンディエゴ ソーク研究所 博士研究員
  • 2007 – 2011年  JST-さきがけ(「代謝と機能制御」)さきがけ研究者(兼務)
  • 2007年   理化学研究所 中野化学生物学研究ユニット ユニットリーダー
  • 2010年  理化学研究所 基幹研究所 専任研究員
  • 2014, 2017年  お茶の水女子大学大学院・人間文化総合科学研究科・非常勤講師
  • 2016年 – 現在  モンゴル国立大学応用理工学部客員教授(兼務)
  • 2014年 – 現在  理化学研究所 環境資源科学研究センター 機能開発研究グループ 専任研究員

研究キーワード

  • ケミカルバイオロジー、植物ホルモン、ブラシノステロイド、シグナル伝達、形態形成、葉緑体制御、植物バイオテクノロジー
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研究紹介

1 ブラシノステロイド情報伝達ネットワークによる植物成長制御機構の解明

植物ホルモンの一種であるブラシノステロイドは、植物形態形成、植物環境応答、植物自然免疫、を始め、植物成長に関わる主要な生理活性に総じて促進的に関わると共に、葉緑体制御や光合成活性まで広く関わっていることが判ってきています。 中野と共同研究者らは、ブラシノステロイド生合成阻害剤Brzなどを活用するケミカルバイオロジーという研究手法を使って、ブラシノステロイドの制御によって働く新しい情報伝達遺伝子を数多く発見してきています。これらの遺伝子の機能を調べることによって、ブラシノステロイドによる植物成長や葉緑体制御の分子機構の解明、それらの遺伝子群によるシグナル伝達ネットワーク機構の解明を目指しています。また、これらの新規遺伝子群による有用形質を実用化作物に導入するための研究も進めています。

2 植物成長制御を制御する新規化合物のケミカルバイオロジー法による探索と機能解明

ブラシノステロイドの発見は、植物成長において未解明だった生理機構の数々を明らかにしたと共に、その促進活性の農業利用に向けた研究が現在も進められています。このように新しい生理活性化合物の発見は、生物学研究において、基礎研究と応用研究の両面において、非常に重要な研究の手掛かりになる可能性を秘めています。 中野と共同研究者らは、このような新しい生理活性を持つ新しい化合物について、何万種類もの化合物を集めたケミカルライブラリーから、植物形態への影響を指標にした探索を行っています。これまでに、植物細胞にカルスを誘導する新規化合物FPXや、植物成長促進化合物PPGなど、興味深い活性を持つ化合物たちが発見しており、さらに新しい化合物の探索と機能解析を進めています。
関連する著作(参考図書)
入門ケミカルバイオロジー(オーム社)入門ケミカルバイオロジー編集委員会編
Plant Chemical Biology, Weily Co., Ed. Audenaert D. and Overvoorde, D.

3 ステロイドホルモン情報伝達機構の進化的保存性の解明

ステロイドホルモンは、動物や昆虫から植物に至るまで広く進化的に保存される生理活性化合物です。ステロイドホルモンは、ステロイド骨格という共通の化学構造だけでなく、少なくとも生合成酵素の幾つかには高い保存性があります。  中野と共同研究者らは、ステロイドホルモンが生合成だけではなく情報伝達機構においても進化的保存性を持つ可能性、植物ステロイドホルモン情報伝達機構が哺乳類の情報伝達機構と共通性を持つ可能性、について研究を進めています。また、植物ステロイドホルモン・ブラシノステロイドが哺乳類において生理活性を持つ可能性についても研究を進めています。
関連する特許
特許登録2012-121872(国内特許、設定登録日:平成27年3月6日)
「免疫賦活剤」小川健司、中野雄司

共同研究者募集

私たちは、一緒に共同研究をして頂ける博士研究員を募集しています。現在、プロジェクト研究による公募は行っていませんが、理化学研究所の基礎科学特別研究員制度、学術振興会特別研究員(PD)制度について、受入資格があります。当ホームページの研究内容にご興味を持って頂ける方は、お問い合わせください。(メールアドレス:tnakano(@)riken.jp) また、同時に、理化学研究所の研修生制度に基づいて、一緒に共同研究をして頂ける学生さんも募集しています。今まで所属してくれた学生さんたちは、理研で実験指導を受けながら、各大学の研究室のセミナーや研究室行事、講義に参加し、大学生活で得られる体験に加えて、さらに新しい体験を理化学研究所で経験しながら種々の技術や知識を習得して巣立ってくれています。これらは大学の所属研究室の先生方との共同研究をベースにした研修体制の下で行っており、事前にそれらの話し合いが必要であるのが前提ですが、ご興味のある方は、気軽にご相談ください。(メールアドレス:tnakano(@)riken.jp)

(これまでの研修生の所属大学)
東京大学大学院農学生命科学研究科/東京大学農学部
お茶の水女子大学人間文化総合科学研究科/お茶の水女子大学理学部
明治大学大学院農学研究科/明治大学農学部
東京農工大学大学院農学研究院/東京農工大学農学部
埼玉大学大学院理工学研究科/埼玉大学理学部

中野雄司周辺のResearch Life Snap Shots

植物化学調節学会@鹿児島大学(2017年10月)
植物化学調節学会@鹿児島大学(2017年10月)
サトウキビ計測&収穫@筑波大学遺伝子実験センター特定網室 (2017年8月)
サトウキビ計測&収穫@筑波大学遺伝子実験センター特定網室 (2017年8月)
植物生理学会@鹿児島大学(2017年3月)
植物生理学会@鹿児島大学(2017年3月)
国立畜産研究所 飼料作物研究圃場
Feed Crops Research Field, Research Institute of Animal Husbandry, Mongolia (モンゴル国立畜産研究所 飼料作物研究圃場)with Prof. Batkhuu in National University of Mongolia and colleagues(2016年9 月)
Salk Institute@San Diego
Salk Institute@San Diego, California, USA with Prof. Joanne Chory and my old friends(2016年3月)
植物化学調節学会@東京大学(2015年10月)
植物化学調節学会@東京大学(2015年10月)